エアコンはなぜ涼しい?
実は「温度」より「湿度」が快適さを左右します【後編】
前編では、エアコンが涼しく感じる理由には
- 冷たい風
- 冷えた壁や床からの冷輻射
- 湿度が下がり汗が蒸発しやすくなること
という3つの仕組みがあることをご紹介しました
その中でも、快適さを大きく左右するのが「湿度」です
今回は、その湿度についてもう少し詳しく見ていきます
温度を下げずに湿度だけ下げるのは難しい
エアコンで湿度を下げようとすると、通常は室温も一緒に下がります
すると、部屋は寒いのに何となく快適ではない、という状態になることがあります
そこで活躍するのが再熱除湿です
一度空気を冷やして水分を取り除き、その空気を少し温めて室内へ戻します
そのため、室温はあまり下げずに湿度だけを下げることができます
部屋の温度はそれほど変わらなくても、空気がサラッとして快適に感じられるのです
ただし、再熱除湿は空気を温め直すため、電気を多く使います
省エネを考えるなら、状況に応じて使い分けることも大切です
例えば、エアコンを運転しながら直射日光を少し取り入れて室温を調整するなど、自然の力を利用する方法もあります
本当に下げたいのは「絶対湿度」
普段よく耳にする湿度は「相対湿度」です
これは、その温度で空気がどれだけ水分を含んでいるかを割合(%)で表しています
例えば
- 室温28℃・相対湿度70% → 蒸し暑い
- 室温28℃・相対湿度50% → 快適に感じやすい
同じ28℃でも、湿度によって体感は大きく変わります
これを「絶対湿度」で見ると、さらに分かりやすくなります
- 28℃・相対湿度70% → 絶対湿度 約19.0g/㎥
- 28℃・相対湿度50% → 絶対湿度 約13.6g/㎥
絶対湿度とは、「空気1㎥あたりに含まれる水分量(g)」です
建築の温熱環境では、この絶対湿度を見ると快適さを判断しやすくなります
目安として、絶対湿度が15.0g/㎥以下になると、室温が28℃程度でも比較的快適に感じやすくなります
もちろん、快適な室温には個人差があります
27℃が心地よい人もいれば、26℃くらいが快適という人もいます
だからこそ、温度だけではなく湿度も一緒に見ることが大切なのです
↓この温湿度計は絶対湿度が表示できる「みはりん坊」

快適さと電気代を両立するコツ
エアコンの設定温度だけを下げ続けると、必要以上に部屋を冷やしてしまうことがあります
一方で、湿度を意識すると、設定温度をそれほど下げなくても快適に過ごせることがあります
最近は、絶対湿度まで表示できる温湿度計も販売されています
温度だけでなく湿度も確認しながらエアコンを調整すると、快適さと省エネの両立につながります

まとめ
夏の快適さを決めるのは、温度だけではありません
「温度」と「湿度」のバランスがとても重要です
これは家づくりでも同じです
断熱性能や気密性能を高める目的は、単に室温を保つことではありません
エアコンが効きやすく、温度と湿度をコントロールしやすい住まいをつくることです
夏も冬も少ないエネルギーで快適に暮らせる家
それが、これからの住まいづくりに求められる性能だと考えています
そもそも電気を使わずに夏 涼しい家を作れたら最高です(できます)




