13年ほど前のお話です
あるお客様から、ご実家では
かつて雪室(ゆきむろ)を
生業(せいぎょう)としていた
とお聞きしました
雪室(氷室)には
さまざまな手法があるようですが
そのお客様のご実家では大きな穴を掘り
冬に降った雪を藁の上に詰め
さらに藁で覆って保存していたそうです
そして夏になると
その雪を切り出して出荷していました
氷と違い
雪の塊は解けた水がすぐに抜けるため
魚などを載せても水浸しになりにくく
とても重宝されたそうです
ある夏のこと
まだ嫁(とつ)いだばかりのお嫁さんが
雪室から雪を切り出す作業を手伝いました
雪室での作業は重労働です
体は暑くなりますが
雪室の中はひんやりとしていて
気持ちが良いため
薄着のまま作業をしていたそうです
ところが、そのお嫁さんはその冬
ひどい神経痛に悩まされたといいます
実は雪室で作業するときは
夏であっても冬支度のような完全防備で
入るのが当たり前だったそうです
この話を聞いたとき
私はエアコンのことを思い浮かべました
現代では
暑い季節になるとエアコンは欠かせません
しかし必要以上に室温を下げ続けることで
本来人が持っている体温調整の働きに
負担がかかることもあるのではないでしょうか
できれば
深い軒がつくる日陰や
窓を通り抜ける自然の風によって暑さを和らげ
体が無理なく環境に順応できる住まいが
理想だと思います
もちろん熱中症対策としてエアコンは大切です
しかし、エアコンだけに頼るのではなく
建物そのものが暑さを和らげる工夫を持つことも
同じくらい重要です
この話を思い出すたびに
家のつくり手として
まだまだできることがあると感じます






