街づくりをしているのは誰か

街づくりをしているのは誰か。

私個人の意見ですが、

我々建築専門家ではありません。

生活している、あなたです。

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かつて、

「建築関係者が街づくりをやっているんだ!」

と思っていましたが、

今は、おこがましくて口にも出せません。

(もちろん、職能を活かしたお手伝いはしています。)

 

そもそも街づくりってなんでしょう?

便利な建物を造ることでしょうか?

んー。

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街づくりって、こんなことじゃないかな?

と思った出来事がありました。

 

この夏、近所で子ども食堂ができました。

モリスバ(森の巣箱)カフェ。

 

夏休みの間、週に2回、計6回ほどだったでしょうか。

小学校4年生以上を対象に

小学生は¥100でランチがいただけます。

(大人は¥300)

 

何人くるかわからないけど、

毎回100人分の食事を用意。

「学校じゃないから、

苦手なのは残してもいいんだよ」

という優しい言葉もありました。

食材は当日の朝、

近所の農家さんたちから持ち込まれるので

献立も当日の朝、

食材を見て決定。

 

地元有志のお姐さま方10名ほどが

2時間半で調理します。

 

建物は11:00~15:00まで開放され、

ランチの時間以外は

地元の大学生が子どもたちの面倒を見たり

子どもたち同士で遊んだり、

ランチだけ食べて帰る子もいるなど、

自由。

モリスバカフェ。一度に55名ほどが食事できる。

 

森の巣箱オーナーの後藤さんに

少しお話を聞くことができました。

子ども食堂の目的は、

おおむねこんな内容でした。

・子どもたちの居場所を提供すること

・安心して食事ができること

・子どもたちを見守る大人も出会い、交流できること

 

夏休み以外の放課後も

子どもの居場所として開放していて、

小学4年生から中学生が遊んで行くそうです。

 

近所の小うるさいオジサン役がいなくなった今、

オーナーはじめ地元の人が見守り役としていて

親や先生に話せないことを聞いたり、

表情から読み取ってあげたり

子どもの拠(よ)り所にしたいとの

思いが伝わってきます。

 

そのために各専門家が知恵を提供する。

 

この循環こそが

コミュニティ=地域交流であり、

街づくりの基本で、

とても良い活動だなと感激しました。

 

よくある

建物を建てて地域の交流拠点に!

というのとは順番が逆。

 

建物=ハードを作ることは、

必要があって初めて検討すればよいのです。

 

10年ほど前から自分自身の考えが

そんな風に変わったのですが、

それを体現されている方に出会えて

とても嬉しくなりました。

 

わたしも子どもたちに(実は大人に)

「建築や暮らしってなんだろう」

をテーマに交流できたらいいなと

思います。

 

じゅん